フジテレビ2022年4月期のドラマ『元彼の遺言状』は、ご覧になりましたか?綾瀬はるかさんと大泉洋さんのコンビが良いですよね!
ドラマの主人公で弁護士である・剣持麗子は綾瀬はるかさんが演じますが、実は『元彼の遺言状』には原作小説があり、著者も弁護士だったんです!
筆者は原作小説の読者として、著者がご自身の法律知識を活かして創作した法律ミステリーはどのようにドラマされるか楽しみにしています。
そこで、この記事は原作小説のあらすじ・登場人物・ネタバレを紹介したいと思います。
Contents
元彼の遺言状|原作小説あらすじ
まずは小説の概要を紹介します。
- タイトル:『元彼の遺言状』
- 著者:新川帆立(しんかわ ほたて)
- 受賞歴:宝島社「第19回『このミステリーがすごい!』大賞」受賞(応募時のタイトルは『三つ前の彼』)
- 発行日:2021年1月8日
- 出版社:宝島社
『元彼の遺言状』は宝島社主催の『このミステリーがすごい!』で大賞を見事に受賞し、2021年1月に発行しました。
大賞の賞金1,200万円だそうです!
原作小説あらすじ
剣持麗子は敏腕弁護士でお金に貪欲。そんな彼女の元彼で大手製薬会社の御曹司・森川栄治が「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」などという遺言状を残して亡くなる。
栄治の死因はインフルエンザだとされるが、麗子は栄治の友人・篠田から自分が栄治にインフルエンザを感染させた可能性があるから「犯人」になれないかと相談される。
麗子は最初はあまり乗り気でなかったが、遺産が思ったよりも巨額であることが判明したため、多額の成功報酬を獲得するために、篠田を「犯人」に仕立て上げようと奔走し、篠田の代理人として、森川家主催の「犯人選考会」に参加することになる。
引用元
原作小説では、弁護士・剣持麗子の第一人称の視点でストーリーが展開されます。
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」
という奇妙な遺言を残してこの世を去った「森川栄治」は、剣持麗子の元彼にあたるので、タイトルが『元彼の遺言状』になりますね。
剣持麗子は能力が高く、ほしいものはどんな努力をしても手に入れようとするという、常に上を目指すタイプです。
小説内では剣持麗子が持っている法律知識も勉強になりますが、ちょっと変わった独り言や心の声も結構面白いです。
原作著者プロフィール
著者の新川帆立さんのプロフィールも紹介します。
- 名前:新川帆立(しんかわ ほたて)
- 性別:女性
- 生年月日:1991年2月
- 出身:アメリカ・テキサス州ダラス
- 国籍:日本
- 職業:ミステリー作家、弁護士、元プロ雀士
- 学歴:東京大学法学部卒・東京大学法科大学院修了
- 住居地:現在シカゴ在住
- デビュー作 :『元彼の遺言状』
新川帆立さんは東大卒で弁護士であり、元プロ麻雀士でもあります。弁護士として働いていましたが、最近は作家業に専念するために弁護士のお仕事は休業中だそうです。
経歴がすごいですね!
元彼の遺言状|原作小説登場人物
ここから、原作小説の登場人物(キャスト)を紹介します。
登場人物が多いから全てを覚えるのは大変ですね。
テレビドラマのキャストとの違いがあると思いますが、比較してみてご参考になれればと思います。
剣持麗子
ドラマキャスト:綾瀬はるか(剣持麗子役)
主人公。28歳の敏腕弁護士。
日本一の大手法律事務所「山田川村・津々井法律事務所」に所属し、年収は2000万ほどだが、「足りていると思ったことがない」という。お金に対して貪欲。
ボーナスの大幅減額を言い渡され、「こんな事務所辞めてやる」と事務所を飛び出ています。
栄治の友人・篠田の代理人として、森川家主催の「犯人選考会」に参加します。
原作小説では、弁護士・剣持麗子の第一人称の視点でストーリーが展開されます。
森川栄治
ドラマキャスト:生田斗真(森川栄治役)
剣持麗子の大学の先輩で、3ヶ月ほど付き合っていた元彼です。別れた理由は栄治の浮気がバレたからです。
栄治はイケメンだけどナルシストで自惚れ。ポジティブで自分を卑下しない性格で、女性にモテモテです。
森川製薬の御曹司で、莫大な財産を持っています。遺産の総額は麗子の調査では時価総額1080億円の株などあります。
「僕の全財産は、僕を殺した犯人に贈る」という奇妙な遺言を残して30歳で死亡しました。
さらに、元カノたちに財産を贈るために「元カノリスト」というリストも作っています。
診断書上の死因は「インフルエンザ」ですが、真相は…?
篠田敬太郎
ドラマキャスト:大泉洋(篠田敬太郎役)
剣持麗子の大学時代のゼミの先輩で、栄治の友人。麗子に依頼して犯人選考会にエントリーしています。
父が小さな貿易会社を経営していており、森川家とは家族ぐるみの付き合いがあるそうです。
原作小説の中では下の名前が書かれていませんが、ドラマでは「篠田敬太郎」という名前になります。
また、小説では篠田家は会社を経営していて、それなりに裕福な家庭という設定ですが、ドラマでは栄治の別荘の管理人兼シェフという設定になりました。
森川富治
ドラマキャスト:生田斗真(森川富治役)
栄治の兄。大学で文化人類学を教えている。栄治とそっくりの美声の持ち主。
「ポトラッチ」という贈与に関する概念に出会ったことが、文化人類学の研究に興味を持ち始めたきっかけです。
生まれながらの持病があり、栄治から骨髄移植を受けています。そのため、この返しきれない恩はどうすれば良いのか悩んでいたそうです。
栄治に恩を返すために、森川製薬の相続権などを全部放棄し、栄治に譲ったのです。
小説の設定では、栄治とは違ってイケメンではないし、顔色が悪くて老けて見えますが、ドラマでは生田斗真さんが一人で栄治・富治の二役を演じているのです。
森川紗英
ドラマキャスト:関水渚(森川紗英役)
栄治のいとこで、栄治のことが好きだったそうです。
麗子の印象では、可愛げがなく気性が荒い女の子。
栄治の元カノたち(麗子含め)に嫉妬しているそうです。
ドラマでは関水渚さんが演じます!
森川雪乃
ドラマキャスト:笛木優子(森川雪乃役)
栄治の「元カノリスト」に記載の数十人の元カノの一人。栄治のいとこ・森川拓未の妻。
もともと栄治と付き合っていたけど、栄治がうつ病になってから栄治を捨てて、拓未に乗り換えたそうです。
小説の中では、紗英は雪乃のことを「か弱そうに見せかけて、実は自分勝手」と言っています。
森川拓未
ドラマキャスト:要潤(森川拓未役)
栄治のいとこで、定之の長男、紗英の兄。切れ者で野心家。
森川製薬新規事業課の課長であり、新薬の開発プロジェクトを進めていました。
富治が相続を放棄したことから、森川製薬の次期経営者は栄治と拓未のどちらかになります。そのため、拓未は栄治殺しの犯人として疑われています。
ドラマでは要潤さんが演じます。声が大きくて性格が悪そうなキャラになっていますね。
原口朝陽
ドラマキャスト:森カンナ(原口朝陽役)
栄治の担当看護師で、栄治の元カノでもあります。
笑顔が朝陽のように暖かいそうです。
栄治を担当しているうちに付き合い始めて、栄治の最後の彼女に当たります。
栄治の件に対して不審に思い、積極的に犯人探しをしています。
村山権太
ドラマキャスト:笹野高史(村山権太役)
栄治の顧問弁護士。長野県の「暮らしの法律事務所」という、小さな町事務所を経営しています。
小説では、村山弁護士の事務所のから、栄治の遺言状を保管した金庫ごと盗まれました。そして村山も何者かに毒殺されてしまいます。
亡くなる直前に剣持麗子に「事務所をあげる」と言っていました。
津々井君彦
ドラマキャスト:浅野和之(津々井君彦役)
山田川村・津々井法律事務所の創設者で、麗子の元上司でもあります。
森川家の関係者たち
そのほかにも森川家の家族関係者多いので、まとめて紹介します。
- 森川金治:栄治の父。森川製薬社長。
- 森川銀治:栄治の叔父。金治の弟。ユーチューバー。
- 森川真梨子:栄治の伯母。金治たちの姉。
- 森川定之:真梨子の夫。森川製薬専務。新規事業や新薬開発に意欲的。
栄治の関係者(親族以外)
- 平井真人:森川製薬副社長。大株主の外資系投資会社から経営立て直しのために送り込まれたそう。
- 堂上先生:獣医。栄治の愛犬バッカスの主治医。
- 堂上真佐美:堂上先生の妻。栄治の元カノの一人でもある。4年前に病死している。
- 堂上亮:堂上夫妻の息子。5歳。
- 浜田先生:栄治の主治医。
元彼の遺言状|原作小説ネタバレ!真犯人は?遺言の目的は?
ここからはネタバレがあります。
- 真犯人の正体は
- 栄治が遺言を残した目的は?
を説明します。
ネタバレがありますのでご注意ください。
真犯人の正体は…
栄治と村山弁護士を殺した真犯人は、獣医の堂上先生でした。
栄治を殺した理由は、妻・堂上真佐美が栄治の元カノであることに気づいたからです。
栄治と堂上真佐美は不倫関係でした。
さらに、堂上先生が愛する息子・亮くんは、実は栄治と堂上真佐美の子供でした。
堂上先生は真佐美の日記を読んでその事実を知ったそうです。ショックを受けた堂上先生は、誰にも知られないように隠していました。
村山弁護士に関しては、特に恨みなどはありません。しかし、村山弁護士は栄治の作った元カノリストを保管していて、堂上真佐美の名前が載っていることも把握しています。
堂上先生はその秘密を知った人を全部消滅しようと、村山弁護士に手を出したのです。
栄治が遺言を残した目的は?
栄治が遺言を残した目的は、自身が持っている株を国庫に帰属させるためでした。
栄治の遺言の主な内容は以下です。
- 「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」
- 「3ヶ月以内に犯人が見つからない場合は、全財産を国庫に帰属させる」
実は、栄治は最初から犯人の存在など考えておらず、株式を国庫に帰属させるためにこの遺言を作ったのです。
普通に考えたら誰かに相続する方が良いのに、なぜわざわざ株式を国庫に入れたいのか?
その理由は、いとこの拓未に協力するためです。
拓未は以前、安価でゲノム社というゲノム編集技術を持っている会社を買収したが、のちに会社は反社会的勢力と繋がりがあることを判明。
その反社会的勢力を牽制するために、ゲノム社の株式を国庫に帰属させたいと考えていたそうです。
栄治は拓未に協力するために、ゲノム社に投資して50%の株式を購入することに。
さらに、自分の財産を国庫に帰属させるような遺言を作りました。
栄治が持っている株式が国庫に入ったら、拓未も自分が持っている株を国庫に売却することができるのです。
栄治は拓未と森川製薬の新事業のために、この秘策を考えついたのです。